出版に関連した推薦図書紹介

『クリティカルワード 現代建築』出版に関連して、参考とした図書の推薦文をいくつか書く機会がありましたので、以下に記します。一つ目の書籍は、執筆と本の企画にも関わっています。


日本の近代・現代を支えた建築─建築技術100選─委員会『日本の近代・現代を支えた建築─建築技術100選─』日本建築センター/建築技術教育普及センター、2019年

震災や戦争からの復興、高度成長を通して日本の建築・都市は目まぐるしい変貌を遂げた。最新技術を海外から導入し、また日本独自の技術として発展させユニークな都市環境を形成してきた。100年の建築と都市を彩る技術に関わるキーワードを取り上げ、各専門家によって書かれた本書は手元に置いておくにふさわしい一冊だ。


ピーター・ブランデル・ジョーンズ『モダニズム建築』建築思潮研究所、2006年

近代建築、機能主義、インターナショナルスタイルとも呼ばれるモダニズム建築は、巨匠の傑作もあれば均質な姿が批判の対象となることもある。一言で説明することがかように難しいモダニズム建築について、本書は、イデオロギーとしてのモダニズムから逸脱する個々の建築家と作品をとおしてその魅力的な世界を解読する。


内田祥哉『ディテールで語る建築』、彰国社、2018年

設計と研究を行き来しながら建築構法学を確立した著者が、モデュールやフレキシビリティなど独自の視点から探求した多様な建築について、その思考をあますところなく語る。本書は生涯を通して建築生産の工業化とその後の時代と向き合った著者が、黎明期の技術や開発期の建材について記した技術史でもある。