鉄筋コンクリート造(RC造)などの新しい建築技術を背景に、20世紀につくられた近代建築はモダニズム建築とも呼ばれており、これらは近年、国際的に保存再生が進められ、国内でも文化財に指定される建物も増えてきています。近代建築の修復や再生は、伝統的な社寺建築とは異なり、文化財としての意匠を保護しながらも現役施設としての活用や性能が求められることが特徴です。
また再生事例が一般化する中で、保存修復だけを専門としない設計者や技術者が取り組むことも現代の特徴です。しかしこれまでの貴重な経験や知識の共有は十分ではなく、参照すべきノウハウが埋もれている現状があります。そこで、一つの再生・修復プロジェクトについて網羅的に記した工事報告書などの書籍を収集・整理し、建築再生技術に関わるウェブ・ライブラリーを構築する研究に取り組んでいます。
(本記事は、東京理科大学「科学フォーラム」2016年6月号掲載の拙稿「既存建築の改修」をもとにしています)
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